大島智衣の「oh! しまった!!」

しまったあれこれ随想録

〈54〉びしょ濡れのち変態

暖かい陽ざし降りそそぐ、春風が心地よいある日のことだった。勤め先のご利用客さんが洗濯をしたいと言うので、洗濯機のある屋上階まで彼を案内をした。 ずんずんと階段を上って行って、「こんなところにあるんスね〜」「そうなんですよー」なんて言いながら…

〈46〉カップル越しの秋

朝、駅からのバスに乗り込んだのは、純真な感じの若く初々しいカップルと私だけだった。 バスの中は静かだった。やけに静かで、なんだか違和感を感じた。 と、真ん中くらいの座席に座っていた私は、後方のカップルが気になり始めた。 これは……これはもしかし…

〈35〉スーパーボール効果

たいがい私も「考え過ぎ」だが、スーパーボールほど「弾み過ぎ」なヤツもいないと思う。 小学生の一時期、なぜか流行っていたスーパーボールは弾み過ぎて、ひとたび手から放たれ地面に打ち付けようものなら、あらゆる方角へ跳びはねてゆき、あれよあれよと道…

〈28〉一番最初にできなかった人

小さい頃、TVで観ていたお気に入りアニメ『魔法の天使クリィミーマミ』のおもちゃのステッキを買ってもらった私は、早速そわそわと自分の部屋にこもり、こっそりとステッキを振ってみた。 パンプル ピンプル パムポップン 呪文を唱え、アニメで観たとおりに…

〈24〉一旦、持ち帰らせてください!

「一旦、持ち帰らせてください!」 医師から手術を薦められ、ひよった私の口から出た言葉がこれだった。 我ながらなんてさらりと便利な言い回しが口をついて出てきたのだろう。 貧血改善の為に一泊二日で帰宅できるという簡単な手術だというが、全身麻酔をす…

〈19〉エントランスまで行った。

始発待ちのカラオケボックスで、ザ・イエローモンキーの熱いエモ曲『球根』を歌いながらホント、明け方にひとりでなにやってるんだろうと思った。 私なんかの弱っちい声帯じゃ、圧倒的なボーカル吉井和哉の声量の10分の1も出やしないし、エモくもないし、そ…

〈12〉妖怪 “寝テル間ニ靴下脱ガシ”

「目に見えないものは存在しない」というけれど、唯一いるんじゃないか?と思うのは妖怪“寝テル間ニ靴下脱ガシ”だ。 絶対に気づかれない流れるような優しい手つきで、人が寝てる間にそっと靴下を脱がす妖怪である(想像)。 前世にて、就寝中の靴下が原因で…