大島智衣の「oh! しまった!!」

しまったあれこれ随想録

〈48〉虎穴に入らずんばハンバーグ

前回、バスでぶらりと出掛けたプラネタリウムでダライ・ラマの説法以来の心地よい眠りに落ちた私はさて、朝からナッツ類しか口にしていなかったので、おなかが空いていた。せっかく出掛けてきたのだから、と何かおいしいものでも食べて帰りたかったけれど、…

〈46〉カップル越しの秋

朝、駅からのバスに乗り込んだのは、純真な感じの若く初々しいカップルと私だけだった。 バスの中は静かだった。やけに静かで、なんだか違和感を感じた。 と、真ん中くらいの座席に座っていた私は、後方のカップルが気になり始めた。 これは……これはもしかし…

〈11〉神様、あと59秒だけ

日本のバスはやさしい。手厚く、丁寧に、私たちを目的地まで送り届けてくれる。それがどれほどやさしいかを、私は韓国のバスに乗って初めて知った。 韓国の街なかのバスは荒い。とにかく、運転手が急いでいる。ぼやぼやしていると停まってもくれない。(時刻…

〈3〉落ち込んだ日にはバスのおりますボタンを押して

落ち込むことがあった日は、帰りにバスの「おりますボタン」を押す。 ゆっくり、しっかり。ぎゅーっと、確かに。 指先に全神経を集中させて。その感覚をいくらも取りこぼさずに感じたいから。 「とまります」点灯した文字と、運転手さんの「次停止しまーす」…