2017-01-01から1年間の記事一覧
母に笛で呼ばれる生活が突如スタートした。 毎年クリスマスの時期になると、母から「今年はいついつどこどこで歌うから来てね」とクリスマスの聖歌隊として彼女が参加する屋外ミニコンサートのお誘いを受ける。幸か不幸か、ここもう毎年のクリスマスには予定…
駅前の一風堂でひとり、思いのたけ豚骨ラーメンを食べ、ふぅ〜満足満足♪ とお店を出たところで知り合いの男性とバッタリ鉢合わせてしまった。 「おーしまさん、ひさしぶりー! 何してんの?」 何の気なしにそう訊かれ、思わず「えっ」と気恥ずかしくなった。…
天童よしみ似の銀座のママのお店でアルバイトをしていた、20代のある頃。 ほぼ同時期に入った年下のMちゃんは、群馬県は桐生市出身のきっぷの良い“からっ風”女子で、いわゆる元ヤンだった。 銀座の前は赤羽のお店で長い間働いていたらしく、年季の入った酒ヤ…
また、言われてしまった。気取らない街の、気取らない立ち呑み屋で、気取らぬじぶんのままでいられる友人女性たちと、楽しく飲んでいたはずだった。 ひとりのお姐様に真っ正面でロックオンされ、こう言われたのである。「おーしまさん、貴女は綺麗だよ。でも…
ハーッと白い息を吐けば世界はあったまると思ってた。使命のようにハーハーしていた集団登校の冬の朝。 2017年12月3日 日曜日 今週のひとこと番 大島智衣
土曜日って、こども時代から遥か時を経た今でも、午前保育や4時間目までの授業から帰宅した、あの午後の雰囲気を帯びたまま。北向きの、薄暗い台所で、土曜日だけ特別みたいに食べたインスタントラーメン。色味はグレー、だけどもうすぐお母さんが仕事から…
その月は31日まであるのか、30日までしかない月なのか。けっこうあやふやな月もありません? 11月は31日まではなかったんだっけ? 手がクリームパンみたいな私はあの数え方(なんて数え方なんだろう?)ができない。西向く侍? サムライって11月? そんなこ…
どんなに好きな人の住所がわかっても、Google Mapのストリートビューで調べるのだけはしない! って決めてる。それだけは意地。 2017年11月30日 木曜日 今週のひとこと番 大島智衣
わきの下って、もはや陰部なのではないだろうか。 わきの下の処理をする必要がなくなって久しい。永久脱毛したわけではない。もっぱら昨今、そこは自然にまかせた状態になっている。 もともと、体毛は薄い方で、MAX状態でも見た目やや濃いめのうぶ毛程度。体…
さっきからその人が吹いている口笛が、なんの歌かは知らないけれど素敵なメロディに聴こえてしまうのは、私がその人のことを好きになっていることに気づかせるのにはじゅうぶんなファンファーレ。 2017年11月29日 水曜日 今週のひとこと番 大島智衣
スクーターで循環バスを追い越して、その先のバス停で待っている人たちがいると、通り過ぎながら心の中で声を掛ける。「バス、もうすぐ来ますよー」2017年11月28日 火曜日 今週のひとこと番 大島智衣
風が強いので小さな鉢植えを部屋の中へ。幼い頃に人形やぬいぐるみをベッドに寄せ集める遊びをよくしていたことを思い出す。「みんないっしょ。これで嵐が来てももう安心」準備がしっかり整って、そうホッとするのが好きだった。2017年11月27日 月曜日 今週…
上野動物園のシャンシャンよりも、遥かに人びとを惹きつけてやまないパンダが横浜中華街にいる。 中華街にはお気に入りのカフェがあって、よく行くのだけれど。 1階が中華雑貨屋さんで、小物入れとか中国茶とか、アクセサリーなんかを売っている。そしてその…
落ち込むことがあった日は、帰りにバスの「おりますボタン」を押す。 ゆっくり、しっかり。ぎゅーっと、確かに。 指先に全神経を集中させて。その感覚をいくらも取りこぼさずに感じたいから。 「とまります」点灯した文字と、運転手さんの「次停止しまーす」…
週明けに人生初の酉の市へ出向いたんですね。それでたいそうはしゃいだせいか、翌日から腰を軽くやってしまいまして。水曜日に更新だった「oh! しまった!!」も、仕方なくベッドに横になりながら書いてみたんですけど、あれですね、書き上げた後にオカシな夢…
デスクで食事をしている人を見ると「よく人前で食べられるなぁ」と思う。 私にはできない。 だって一人で食べるのって、“一人でする”のと……同じじゃない? と思ってしまう。 お店とか休憩スペースで食べるならいい。だけど、食空間ではないオフィスで、デス…
「ウェブマガジンを一緒につくらない?」と利重さんに誘っていただいたのはいつだったのでしょう。さかのぼってみたら、今年の春のことでした。季節も、いろいろなことも、かわりました。今がつらかったりもします。だけどそれは、経過観察してみようと思っ…
先日40歳になった。誰からも祝われなかった。見事に、ものの見事に誰からも。 その日一日、同居の家族からさえも、「おめでとう」のひと言も掛けてもらえなかった。自発的には。 それが、この40年間で私が得たもの──そう、かけがえのない“自由”を手に入れた…